VRChatへようこそ! ここは、なりたい自分になって、世界中の人々と出会える、無限の可能性に満ちた場所。きっと、あなたの毎日はもっと刺激的に、もっと色鮮やかになるはずです。
ただ、たくさんの人が集まる素敵な空間だからこそ、現実の世界と同じように、みんなが気持ちよく過ごすための「ちょっとした思いやり」や「お作法」が存在します。
特に、文章にはなっていない暗黙のルールを知っているかどうかで、ここでの体験の質が、そして出会いの素晴らしさが、ぐっと変わってくるかもしれません。
この記事では、VRChatを始めたばかりのあなたが、意図せず誰かを困らせてしまうことなく、たくさんの素敵な出会いを紡いでいくためのヒントを、心を込めてお伝えします。
現実でも、初対面の人にいきなり顔を近づけられると、思わず「おっと…」と身構えてしまいますよね。VRChatでも、その感覚はとても大切なんです。
相手との物理的な距離感を適切に保つことが、円滑なコミュニケーションの第一歩になります。
特にVRゴーグルを着けて参加している人は、デスクトップで参加している人よりも、アバターが近づいてくることに強い圧迫感を覚えることがあります。
なぜならVRの世界では、アバターがまるで本当に自分の体のように感じられる魔法のような感覚(VR感覚)が強まるから。
あなたが軽い気持ちで近づいただけでも、相手は現実世界でグイッと詰め寄られているような、ドキッとする不快感を抱いてしまうかもしれないのです。
例えば、話している相手のアバターに体が重なるほど近づくのは、みんなが自然と避けている行為です。
また、壁際にいる人は鏡を見ていることが多いので、その人と壁の間に入り込むと視界を塞いでしまい、がっかりさせてしまうかもしれません。
まずは、相手のアバターと自分のアバターの間に、もう一人分くらいのスペースを空けることを意識してみるといいかもしれませんね。
うたの
その優しい距離感が、きっと相手に安心感を与えます。
アバターを通したコミュニケーションでは、頭を撫でたり、ハグをしたりといったスキンシップも、素敵な交流の一つです。
でも、その受け取り方は人それぞれ。だからこそ、相手の気持ちを尊重する、とても丁寧な対応が求められます。
あなたにとってアバターが大切な“分身”であるように、相手にとっても、そのアバターは唯一無二の、かけがえのない存在です。
許可なく体に触れることは、その人の大切な心(プライベートな領域)に、土足で踏み込んでしまうように感じさせてしまうかもしれません。
中には、触られていないのに、本当に触られたかのように感じる不思議な感覚「ファントムセンス(VR感覚)」を持つ人もいます。
VR感覚持ちの人触ると反応がいいからつい面白くなって…っていうのは気持ちわかるけど、度を過ぎたタッチはいじめと大差ないから気を付けてね
「嫌なら逃げればいい。逃げないのはOKのサインでしょ」って思う人もいるだろうけど、囲まれると本当に動けなくなっちゃうって人もいるのよ— レナス・スケイム🍊「楽しい」を伝えたいボクセルいのちVtuber🔶 (@sukeimu_v) July 24, 2019
予期せぬ接触は、そうした方をひどく驚かせ、苦痛に感じさせてしまうこともあるのです。
もちろん、親しい友人同士で撫で合ったり、ハグをしたりするのは、VRChatの心温まる文化そのもの。
でもそれは、お互いの「いいよ」という気持ちがあってこそ。もしスキンシップを取りたくなったら「撫でてもいいですか?」という魔法の言葉をかけてみてください。
うたの
その一言が、あなたへの信頼を育み、もっと素敵な関係への扉を開いてくれます。
VRChatでは銃、ナイフ等を人に向けた所で直接生命に関わる事はない……。
でも。
幻肢痛のように痛みを感じる人もいるし、向けられた事でびっくりして転んで骨折など大怪我に繋がるかも知れないので、他人に突然銃口や刃物を向けるのはやめようね。
ゲームワールドやお互い許可してる場合は大丈夫。…— 藤渚はすきぃ🐾元海自の管理栄養士Vtuber🍴 (@husky_gracilis) October 23, 2024
アバターによっては、ギミックとして剣や銃が出てきたり、デザインとして鋭いツノや爪が付いていたりすることがあります。
そうしたものを、冗談のつもりでも他のユーザーに向けるのは、絶対にやめましょう。
これは、相手に恐怖や不快感を与えてしまう、代表的なNG行為の一つです。
たとえそれがオモチャの剣でも、向けられた方は心臓がヒュッとします。VRの世界はとても没入感が高いので、鋭利なものが自分に向けられると、現実と同じような恐怖を感じてしまうのです。
特に、VRChatにまだ慣れていない初心者の方にとっては、忘れられないくらい怖い体験になってしまうかもしれません。
VRChatは、みんなが「ただいま」と帰ってこられる、安心できるもう一つの我が家であってほしいと、誰もが願っています。
人を驚かせたり、面白いと思ったりしての行動が、その願いを壊してしまうのは、とても悲しいことです。
うたの
素敵なギミックを披露したいときは、ぜひ安全な方向に向けて、みんなで「おー、すごい!」と盛り上がりましょう!
VRChatには、悪気はまったくないのに、うっかり誰かを困らせてしまう行為がいくつかあります。知っておくだけで防げることなので、ぜひ覚えておいてくださいね。
①ワールドに響き渡る声
アバターの音声設定にある「2Dサウンド」これをオンにした音は、距離に関係なく、ワールドにいる全員に同じ大きさで聞こえてしまいます。
あなたにとっては小さな効果音のつもりが、他の人には突然の爆音に! 音を出すギミックを使うときは、設定をこっそり確認する癖をつけるとスマートです。
②周りの人をVR酔いさせてしまうかも
乗り物酔いしやすい人がいるのと同じように、VRにも酔いやすい人がいます。
激しく動き回ったり、視界を遮るようなものを出し続けたりする行為は、周りの人の気分を悪くさせてしまう可能性があるので、少しだけ周りを見渡す余裕を持つと素敵です。
③VR睡眠している人への思いやり
VRChatでは、アバターのまま眠ってしまう「VR睡眠」という、心安らぐ文化があります。
もし、すやすやと眠っている人を見かけたら、その穏やかな時間を邪魔しないように、大きな声で騒いだり、ピカピカ光るエフェクトを使ったりするのは控えましょう。
そっと見守ってあげるのが、VRChat上級者の優しいマナーです。
たくさんの人が集まるイベントに参加するときは、アバター選びにも思いやりが光ります。お洒落なパーティにドレスを着ていくように、VRChatのイベントにも、その場にふさわしいアバターがあるんです。
特に、体が極端に大きいアバターや、長い尻尾、横に大きく張り出した翼が付いたアバターは、少しだけ注意が必要かもしれません。
人が密集しているイベント会場で、あなたの素敵なアバターが誰かの視界を完全に塞いでしまったり、気づかないうちに尻尾が誰かの顔の前で揺れていたりしたら…お互いにとって、少し残念な気持ちになってしまいますよね。
こうしたすれ違いを避けるため、イベントによってはアバターのサイズや負荷(ポリゴン数など)に推奨事項を設けている場合があります。
VRCHATの音楽イベントなどではpoor以下アバターが推奨されているところが多いので、アバターを軽くする方法をまとめました〜〜♡
他に色々あるとは思いますがこれが楽でした!#VRCHAT pic.twitter.com/hGT62CUYaG— 南 紗英/Minami Sae (@oniku_umai_na) July 20, 2025
参加する前に告知をチェックして、その場の空気に合ったアバターを選ぶのが、デキる人の振る舞いです。
うたの
イベント用の「お出かけコーデ」として、少し小ぶりでシンプルなアバターを一体用意しておくと、どんな場所でもスマートに楽しめて、とっても素敵ですよ。
VRChatでは、アバターの作者さん(クリエイター)の権利を尊重することが、何よりも大切にされているルールの一つです。
アニメやゲームのキャラクターを、作者さんの心を無視して無理やりコピーした、いわゆる「ぶっこ抜き」や「海賊版」アバターの使用は、明確な著作権侵害。VRChatの利用規約でも、もちろん固く禁じられています。
アバターを自由に試着できる「アバターワールド」キラキラしたワールドに、大好きなキャラクターのアバターが置かれていると、つい使ってみたくなりますよね。でも、ぐっとこらえて。
特に海外のワールドで見かけるそれらの多くは、作者さんに無断で作られた、悲しいアバターなんです。
これを使ってしまうと、あなた自身が規約違反者と見なされ、アカウント停止などの重い罰則を受けてしまう可能性があります。
もちろん、例外もあります。『原神』などで知られるMiHoYoさんのように、企業が公式にアバターデータを配布しているケースです。
新世代オープンワールドRPG『原神』の公式がキャラクターモデル配布中。中国国内にて映像作品コンテストも。
これらは配布元の利用規約をしっかり守る限り、使うことができます。ただし、他の人にデータをあげたり、誰でも使える設定でアップロードしたりすることは、ほとんどの場合で禁止されています。
安全に、そして心からVRChatを楽しむ一番の方法は、BOOTHなどの信頼できるマーケットプレイスで、素敵なアバターと出会うことです。
VRChatでは、他人のアバターの見た目について、否定的な感想を言うことは、最も避けたい行為の一つです。
なぜなら、そのアバターは、その人が時間と愛情をかけて選び、あるいは作り上げた「宝物」であり「こうありたい」と願う心の姿そのものだからです。
例えば「そのアバター、クオリティが低いね」といった言葉。
それは、まるで誰かが一生懸命作った手作りのプレゼントを、目の前でけなされるような、深い悲しみを与えてしまいます。
アバターが自作か、購入品か、無料のものか…そんなことで人に優劣をつけるような考え方は、この世界では受け入れられません。
大切なのは、その人がその姿でVRChatを楽しんでいるという事実を、丸ごと尊重することです。
むしろVRChatには、相手のアバターの素敵なところを見つけて、言葉にして褒める文化が根付いています。
「その髪の色、とっても綺麗ですね!」
「そのお洋服のデザイン、大好きです!」
――その一言が、相手の一日を、そしてあなた自身の一日をも輝かせます。
うたの
たとえ自分の好みとは違っても、相手の個性を否定するのではなく、そのこだわりを認め合う姿勢が、あなたを素敵なVRChatユーザーにしてくれます。
VRChatの大きな魅力の一つは、普段の自分から解放されて、“なりたい自分”でいられる匿名性にあります。
だからこそ、相手の現実世界に関する情報を、しつこく探るような行為は、重大なマナー違反です。
まだ親しくない段階で、住んでいる場所や年齢、お仕事や本名などを尋ねるのは、絶対にやめましょう。
もちろん、仲良くなるにつれて、お互いのリアルな話を自然にすることはあります。でもそれは、あくまで相手が自ら心の扉を開けてくれたときのこと。
こちらから質問攻めにするのは、現実世界で会ったばかりの人に「住所教えて」と聞くのと同じくらい、相手をびっくりさせ、怖がらせてしまいます。
特に異性に対して、出会ってすぐに「どこ住み?」なんて聞くのは、「ヤバい人」のレッテルを貼られてしまうだけ。
VRChatでの出会いも、現実と同じ。ゆっくりと信頼関係を築いた先に、初めて生まれるものです。
うたの
相手が話したくないことには触れず、バーチャルな存在としての相手を尊重し、その心の扉が開くのを優しく待ってあげる。それが、本当の信頼への一番の近道ですね。
アバターから出る「パーティクル」や「光源(ライト)」は、あなたを素敵に彩る楽しい機能です。でも、その使い方を少しだけ間違えると、周りの人に大きな迷惑をかけてしまうことがあります。
パフォーマンスへの影響
あなたの素敵なエフェクトが、誰かのPCを「重いよー!」と悲鳴をあげさせているかもしれません。
過剰なパーティクルやたくさんのライトは、他の人のPCやVRヘッドセットに大きな負担をかけ、画面がカクカクになる原因になります。
これは、他の人の快適な時間を奪ってしまうだけでなく、VR酔いを引き起こすことにも繋がります。
視界の妨害(パーティクルチカチカ)
画面を埋め尽くすほどの光の粒や、チカチカと点滅する強い光は、単純に他の人の視界を奪い、おしゃべりの邪魔になってしまいます。せっかくの会話が、光の洪水で見えなくなってしまったら、悲しいですよね。
VRChatには、アバターの“重さ”を示す優しい目安として「パフォーマンスランク」があります。自分のアバターが緑色(Excellent)や青色(Good)になっているか、時々チェックしてみましょう。
公共の場では控えめな設定に調整することが、みんなが快適に過ごすための心遣いです。
うたの
キラキラのエフェクトは、公共の場では特に、周りの人への思いやりを込めて使いましょう。
VRChatで起こるトラブルのほとんどは、人との関係から生まれます。それを防ぐためのコツは、実はとてもシンプル。基本的には、現実世界と何も変わりません。
会話のキャッチボールで、相手が投げた言葉を「でも」「だって」といきなり地面に叩きつけるのではなく、まずは「なるほど、あなたはそう思うんだね」と、優しく受け止めてあげるイメージです。
ここは、地球の裏側に住む人とも、隣の席に座るように話せる場所。自分と違う「当たり前」に出会えることこそ、VRChatの醍醐味です。
その違いを、ぜひ楽しんでみてください。また、お酒を飲む「VR飲酒」も楽しい文化ですが、リアルと同じく「VRアルハラ」は絶対にいけません。
うたの
結局のところ、一番大切なのは「自分がされて嬉しいことを、相手にしてあげる」という、子供の頃に教わった、あの温かい気持ちなのかもしれません。
ここまで読んでくださって、ありがとうございます。たくさんのルールがあって大変だと感じましたか? でも、大丈夫。これらはすべて、たった一つのシンプルな想いから生まれています。
それは「みんなで、この素晴らしい世界をずっと楽しみたい」という想いです。
ここに書かれた一つ一つの思いやりが、あなたのVRChatライフを、そしてあなたが出会う誰かのVRChatライフを、もっと豊かで素晴らしいものに変えてくれます。
さあ、たくさんの素敵な出会いを、心ゆくまで楽しんでくださいね!