VRChatの暗黙のルール|知っていると、もっと楽しくなるお作法ガイド


VRChatへようこそ! ここは、なりたい自分になって、世界中の人々と出会える、無限の可能性に満ちた場所。きっと、あなたの毎日はもっと刺激的に、もっと色鮮やかになるはずです。


ただ、たくさんの人が集まる素敵な空間だからこそ、現実の世界と同じように、みんなが気持ちよく過ごすための「ちょっとした思いやり」や「お作法」が存在します。


特に、文章にはなっていない暗黙のルールを知っているかどうかで、ここでの体験の質が、そして出会いの素晴らしさが、ぐっと変わってくるかもしれません。


この記事では、VRChatを始めたばかりのあなたが、意図せず誰かを困らせてしまうことなく、たくさんの素敵な出会いを紡いでいくためのヒントを、心を込めてお伝えします。


この記事を読めば、きっとこんなことが分かるはずです。
  • VRChatでの、心地よい人との距離の取り方
  • あなたの分身であるアバターを通した、優しいコミュニケーションのコツ
  • トラブルを避けるための、思いやりのアバター選び
  • かけがえのない人間関係を築くための、大切な心構え



知っておくとVRChatがもっと好きになる、5つのお作法(暗黙のルール)

VRChat 暗黙のルール


「パーソナルスペース」を大切に。相手との心地よい距離感


現実でも、初対面の人にいきなり顔を近づけられると、思わず「おっと…」と身構えてしまいますよね。VRChatでも、その感覚はとても大切なんです。


相手との物理的な距離感を適切に保つことが、円滑なコミュニケーションの第一歩になります。


特にVRゴーグルを着けて参加している人は、デスクトップで参加している人よりも、アバターが近づいてくることに強い圧迫感を覚えることがあります。


なぜならVRの世界では、アバターがまるで本当に自分の体のように感じられる魔法のような感覚(VR感覚)が強まるから。


あなたが軽い気持ちで近づいただけでも、相手は現実世界でグイッと詰め寄られているような、ドキッとする不快感を抱いてしまうかもしれないのです。


例えば、話している相手のアバターに体が重なるほど近づくのは、みんなが自然と避けている行為です。


また、壁際にいる人は鏡を見ていることが多いので、その人と壁の間に入り込むと視界を塞いでしまい、がっかりさせてしまうかもしれません。


まずは、相手のアバターと自分のアバターの間に、もう一人分くらいのスペースを空けることを意識してみるといいかもしれませんね。


うたの

うたの

 

その優しい距離感が、きっと相手に安心感を与えます。




スキンシップは、相手の心を確かめてから


アバターを通したコミュニケーションでは、頭を撫でたり、ハグをしたりといったスキンシップも、素敵な交流の一つです。


でも、その受け取り方は人それぞれ。だからこそ、相手の気持ちを尊重する、とても丁寧な対応が求められます。


あなたにとってアバターが大切な“分身”であるように、相手にとっても、そのアバターは唯一無二の、かけがえのない存在です。


許可なく体に触れることは、その人の大切な心(プライベートな領域)に、土足で踏み込んでしまうように感じさせてしまうかもしれません。


中には、触られていないのに、本当に触られたかのように感じる不思議な感覚「ファントムセンス(VR感覚)」を持つ人もいます。



予期せぬ接触は、そうした方をひどく驚かせ、苦痛に感じさせてしまうこともあるのです。


もちろん、親しい友人同士で撫で合ったり、ハグをしたりするのは、VRChatの心温まる文化そのもの。


でもそれは、お互いの「いいよ」という気持ちがあってこそ。もしスキンシップを取りたくなったら「撫でてもいいですか?」という魔法の言葉をかけてみてください。


うたの

うたの

 

その一言が、あなたへの信頼を育み、もっと素敵な関係への扉を開いてくれます。




そのギミック、人に向いていませんか?



アバターによっては、ギミックとして剣や銃が出てきたり、デザインとして鋭いツノや爪が付いていたりすることがあります。


そうしたものを、冗談のつもりでも他のユーザーに向けるのは、絶対にやめましょう。


これは、相手に恐怖や不快感を与えてしまう、代表的なNG行為の一つです。


たとえそれがオモチャの剣でも、向けられた方は心臓がヒュッとします。VRの世界はとても没入感が高いので、鋭利なものが自分に向けられると、現実と同じような恐怖を感じてしまうのです。


特に、VRChatにまだ慣れていない初心者の方にとっては、忘れられないくらい怖い体験になってしまうかもしれません。


VRChatは、みんなが「ただいま」と帰ってこられる、安心できるもう一つの我が家であってほしいと、誰もが願っています。


人を驚かせたり、面白いと思ったりしての行動が、その願いを壊してしまうのは、とても悲しいことです。


うたの

うたの

 

素敵なギミックを披露したいときは、ぜひ安全な方向に向けて、みんなで「おー、すごい!」と盛り上がりましょう!




うっかりやりがち? 悪気のない迷惑行為に注意


VRChatには、悪気はまったくないのに、うっかり誰かを困らせてしまう行為がいくつかあります。知っておくだけで防げることなので、ぜひ覚えておいてくださいね。


①ワールドに響き渡る声


アバターの音声設定にある「2Dサウンド」これをオンにした音は、距離に関係なく、ワールドにいる全員に同じ大きさで聞こえてしまいます。


あなたにとっては小さな効果音のつもりが、他の人には突然の爆音に! 音を出すギミックを使うときは、設定をこっそり確認する癖をつけるとスマートです。



②周りの人をVR酔いさせてしまうかも


乗り物酔いしやすい人がいるのと同じように、VRにも酔いやすい人がいます。


激しく動き回ったり、視界を遮るようなものを出し続けたりする行為は、周りの人の気分を悪くさせてしまう可能性があるので、少しだけ周りを見渡す余裕を持つと素敵です。



③VR睡眠している人への思いやり


VRChatでは、アバターのまま眠ってしまう「VR睡眠」という、心安らぐ文化があります。


もし、すやすやと眠っている人を見かけたら、その穏やかな時間を邪魔しないように、大きな声で騒いだり、ピカピカ光るエフェクトを使ったりするのは控えましょう。


そっと見守ってあげるのが、VRChat上級者の優しいマナーです。



TPOをわきまえたアバター選びで、イベントの人気者に


たくさんの人が集まるイベントに参加するときは、アバター選びにも思いやりが光ります。お洒落なパーティにドレスを着ていくように、VRChatのイベントにも、その場にふさわしいアバターがあるんです。


特に、体が極端に大きいアバターや、長い尻尾、横に大きく張り出した翼が付いたアバターは、少しだけ注意が必要かもしれません。


人が密集しているイベント会場で、あなたの素敵なアバターが誰かの視界を完全に塞いでしまったり、気づかないうちに尻尾が誰かの顔の前で揺れていたりしたら…お互いにとって、少し残念な気持ちになってしまいますよね。


こうしたすれ違いを避けるため、イベントによってはアバターのサイズや負荷(ポリゴン数など)に推奨事項を設けている場合があります。



参加する前に告知をチェックして、その場の空気に合ったアバターを選ぶのが、デキる人の振る舞いです。


うたの

うたの

 

イベント用の「お出かけコーデ」として、少し小ぶりでシンプルなアバターを一体用意しておくと、どんな場所でもスマートに楽しめて、とっても素敵ですよ。

VRChatの暗黙のルールと大切な心構え

VRChat 暗黙のルール


あなたのアバター、大丈夫? 大切な権利のお話


VRChatでは、アバターの作者さん(クリエイター)の権利を尊重することが、何よりも大切にされているルールの一つです。


アニメやゲームのキャラクターを、作者さんの心を無視して無理やりコピーした、いわゆる「ぶっこ抜き」や「海賊版」アバターの使用は、明確な著作権侵害。VRChatの利用規約でも、もちろん固く禁じられています。



アバターを自由に試着できる「アバターワールド」キラキラしたワールドに、大好きなキャラクターのアバターが置かれていると、つい使ってみたくなりますよね。でも、ぐっとこらえて。


特に海外のワールドで見かけるそれらの多くは、作者さんに無断で作られた、悲しいアバターなんです。



これを使ってしまうと、あなた自身が規約違反者と見なされ、アカウント停止などの重い罰則を受けてしまう可能性があります。


もちろん、例外もあります。『原神』などで知られるMiHoYoさんのように、企業が公式にアバターデータを配布しているケースです。


新世代オープンワールドRPG『原神』の公式がキャラクターモデル配布中。中国国内にて映像作品コンテストも。


これらは配布元の利用規約をしっかり守る限り、使うことができます。ただし、他の人にデータをあげたり、誰でも使える設定でアップロードしたりすることは、ほとんどの場合で禁止されています。


安全に、そして心からVRChatを楽しむ一番の方法は、BOOTHなどの信頼できるマーケットプレイスで、素敵なアバターと出会うことです。



アバターは、その人の心。見た目の批評はご法度


VRChatでは、他人のアバターの見た目について、否定的な感想を言うことは、最も避けたい行為の一つです。


なぜなら、そのアバターは、その人が時間と愛情をかけて選び、あるいは作り上げた「宝物」であり「こうありたい」と願う心の姿そのものだからです。


例えば「そのアバター、クオリティが低いね」といった言葉。


それは、まるで誰かが一生懸命作った手作りのプレゼントを、目の前でけなされるような、深い悲しみを与えてしまいます。


アバターが自作か、購入品か、無料のものか…そんなことで人に優劣をつけるような考え方は、この世界では受け入れられません。


大切なのは、その人がその姿でVRChatを楽しんでいるという事実を、丸ごと尊重することです。


むしろVRChatには、相手のアバターの素敵なところを見つけて、言葉にして褒める文化が根付いています。


「その髪の色、とっても綺麗ですね!」
「そのお洋服のデザイン、大好きです!」


――その一言が、相手の一日を、そしてあなた自身の一日をも輝かせます。


うたの

うたの

 

たとえ自分の好みとは違っても、相手の個性を否定するのではなく、そのこだわりを認め合う姿勢が、あなたを素敵なVRChatユーザーにしてくれます。




「中の人」のことは、そっと心の中に


VRChatの大きな魅力の一つは、普段の自分から解放されて、“なりたい自分”でいられる匿名性にあります。


だからこそ、相手の現実世界に関する情報を、しつこく探るような行為は、重大なマナー違反です。


まだ親しくない段階で、住んでいる場所や年齢、お仕事や本名などを尋ねるのは、絶対にやめましょう。


もちろん、仲良くなるにつれて、お互いのリアルな話を自然にすることはあります。でもそれは、あくまで相手が自ら心の扉を開けてくれたときのこと。


こちらから質問攻めにするのは、現実世界で会ったばかりの人に「住所教えて」と聞くのと同じくらい、相手をびっくりさせ、怖がらせてしまいます。


特に異性に対して、出会ってすぐに「どこ住み?」なんて聞くのは、「ヤバい人」のレッテルを貼られてしまうだけ。


VRChatでの出会いも、現実と同じ。ゆっくりと信頼関係を築いた先に、初めて生まれるものです。


うたの

うたの

 

相手が話したくないことには触れず、バーチャルな存在としての相手を尊重し、その心の扉が開くのを優しく待ってあげる。それが、本当の信頼への一番の近道ですね。



キラキラエフェクトは、周りへの思いやりを忘れずに


アバターから出る「パーティクル」や「光源(ライト)」は、あなたを素敵に彩る楽しい機能です。でも、その使い方を少しだけ間違えると、周りの人に大きな迷惑をかけてしまうことがあります。



パフォーマンスへの影響
あなたの素敵なエフェクトが、誰かのPCを「重いよー!」と悲鳴をあげさせているかもしれません。


過剰なパーティクルやたくさんのライトは、他の人のPCやVRヘッドセットに大きな負担をかけ、画面がカクカクになる原因になります。


これは、他の人の快適な時間を奪ってしまうだけでなく、VR酔いを引き起こすことにも繋がります。



視界の妨害(パーティクルチカチカ)
画面を埋め尽くすほどの光の粒や、チカチカと点滅する強い光は、単純に他の人の視界を奪い、おしゃべりの邪魔になってしまいます。せっかくの会話が、光の洪水で見えなくなってしまったら、悲しいですよね。


VRChatには、アバターの“重さ”を示す優しい目安として「パフォーマンスランク」があります。自分のアバターが緑色(Excellent)や青色(Good)になっているか、時々チェックしてみましょう。


公共の場では控えめな設定に調整することが、みんなが快適に過ごすための心遣いです。


うたの

うたの

 

キラキラのエフェクトは、公共の場では特に、周りの人への思いやりを込めて使いましょう。



コミュニケーションの基本は「思いやり」と「尊重」


VRChatで起こるトラブルのほとんどは、人との関係から生まれます。それを防ぐためのコツは、実はとてもシンプル。基本的には、現実世界と何も変わりません。


会話のキャッチボールで、相手が投げた言葉を「でも」「だって」といきなり地面に叩きつけるのではなく、まずは「なるほど、あなたはそう思うんだね」と、優しく受け止めてあげるイメージです。


ここは、地球の裏側に住む人とも、隣の席に座るように話せる場所。自分と違う「当たり前」に出会えることこそ、VRChatの醍醐味です。


その違いを、ぜひ楽しんでみてください。また、お酒を飲む「VR飲酒」も楽しい文化ですが、リアルと同じく「VRアルハラ」は絶対にいけません。


うたの

うたの

 

結局のところ、一番大切なのは「自分がされて嬉しいことを、相手にしてあげる」という、子供の頃に教わった、あの温かい気持ちなのかもしれません。



暗黙のルールを守って、VRChatをもっと楽しもう!


ここまで読んでくださって、ありがとうございます。たくさんのルールがあって大変だと感じましたか? でも、大丈夫。これらはすべて、たった一つのシンプルな想いから生まれています。


それは「みんなで、この素晴らしい世界をずっと楽しみたい」という想いです。



最後に、大切なポイントをもう一度。
  • VRの人とデスクトップの人では、距離の感じ方が違うことを知っておこう。
  • 許可のないスキンシップ、特に頭を撫でるのは慎重に。
  • 刃物や銃など、怖いものは人に向けない優しさを。
  • イベントでは、周りの視界を遮らないスマートなアバター選びを。
  • 著作権を守ることは、クリエイターへの最大のリスペクト。
  • 人のアバターを批評せず、素敵なところを見つけて褒めよう。
  • リアルの個人情報は、とてもデリケートな宝物。
  • キラキラエフェクトは、周りへの影響を考えて控えめに。



ここに書かれた一つ一つの思いやりが、あなたのVRChatライフを、そしてあなたが出会う誰かのVRChatライフを、もっと豊かで素晴らしいものに変えてくれます。


さあ、たくさんの素敵な出会いを、心ゆくまで楽しんでくださいね!