VRChatでは、人それぞれが自分だけの楽しみ方を見つけています。
おしゃべりを楽しんだり、アバターをカスタマイズしたり、ワールドを探索したり、そして言葉を発することなく、ただそこに存在する――。そんな独特なスタイルでVRChatを楽しんでいる人たちを、あなたはご存知でしょうか?
今回は、言葉に頼らないコミュニケーションで仮想世界を満喫する「無言勢」と呼ばれる人たちについて、深く探求していきます。
VRChatにおける無言勢とは、VRChat内でボイスチャットを使わず、無言で活動するプレイヤーのことを指します。
多くのプレイヤーはボイスチャットを通じてコミュニケーションを取っていますが、無言勢はその代わりにジェスチャーや表情、テキストチャットなど音声に頼らない手段で意思疎通を図ります。
まるで、言葉が通じない異国の地で、ジェスチャーだけで意思疎通を図っているような感じです。
無言勢は、何らかの理由で音声を使いたくない(使えない)場合や、シンプルに音声を使わないことを楽しんでいるプレイヤーが多いです。
無言でありながらも、アバターの個性や動きで感情を表現し、他のプレイヤーと交流する姿が特徴です。このため、無言勢は一見静かに見えますが、独自の方法で存在感を発揮する人々でもあります。
無言での交流は、VRChatを始めとしたVRSNSならではの文化と言えるでしょう。
ボイスチャットが主流のVRChatにおいて、なぜ彼らはあえて言葉を避けるのか、様々な理由が考えられます。
無言勢になってしまう理由5選
●部屋の壁が薄い
●コミュニティ能力がない
●マイクを持っていない
●喉の調子が悪い
●ボイチャで喋ることによって秘密組織に会話を聞かれないようにする為
⬆
俺コレ
#VRC
#無言勢
#あくまで個人の感想です
#子供の頃は信じてた
#VRchatはじめてました— サメっち (@SaMeNoHa1) September 13, 2024
【緩情報募集】無言勢の理由、
・声を出すのが『すごく』恥ずかしい
・女性キャラから男声はおかしいと思う
・非人間アバター等の理由でRPの一環として
・家族に配慮して(時間帯でそれなどよく聞く)
・何となくだけどそれがキャラとして定着
以外に何かありますかね。中々発想が出来てなくて。— 常盤いるむ (@tokiwailm) October 9, 2020
無言勢が無言な理由は様々です
私の理由は家族がネット配信をしているからだと説明してますが
実は何年も前に喉に大きな怪我をして
元の普通の声がでなくなったから
そこからずっと喋るのを止めてたので
今更発声しても数分しかもたないっていうのが主な理由です
世の中そんな人もいるのですよー😌— 雪代 琴狐/Kotoko (@kotoko_VRChat) June 22, 2021
無言勢である理由は人それぞれ異なります。
パブリックでは声を出したくなくても、フレンドと話す時はボイスチャットを使う人や、家族がいる日はボイスチャットが使えないので、その時は無言で過ごす半無言勢の方もいます。
VRChatの無言勢が、言葉を使わずにどのようにコミュニケーションを取っているのか、具体的な方法をいくつかご紹介します。
QVペン
VRChatにはペンが置いてあるワールドがあるので、ペンで文字や絵を描くことでコミュニケーションがとれます。
ペンを極めた人は鏡文字でコミュニケーションをとっています。
私のNAGiSAの楽しみ方を撮ってみた!
無言だとしても、
「鏡文字」と「かわいいムーブ」で、
楽しく交流したい、と思ってます!
(いつもPublicでサンプルアバターなのは、盗難対策&万病に効くラスクちゃんの宣伝です!)#VRChat pic.twitter.com/YFtOp9wQQV— Love/旅川愛 (@Love_VRchat) September 15, 2024
ジェスチャー
VRChatでは、アバターがさまざまなポーズや動きをすることができるため、これを使って感情や意思を表現します。例えば、手を振る、拍手する、笑う、頷くといった動作で、他者に対する反応を示すことができ、ボイスなしでも自然な交流が生まれます。
テキストチャット
VRChatにはテキストチャット機能があり、これを使って他のプレイヤーと文字でやり取りします。簡単な挨拶やリアクションを素早く打ち込むことで、会話を成立させることが可能です。
テキストチャットの内容はアバターの頭の上に表示されます。
声を出せない無言勢の助けとなるおすすめのコミュニケーションツールを紹介します。
いずれもBOOTHで販売されているもので、Unityで簡単に導入できるので、無言勢の方はぜひ試してみてください。
アバターペン
「ワールドにQVペンがおいていない!」
こんな時の助けとなるのがアバターペンです。アバターにペンを仕込むことで、ペンのないワールドでも文字を書くことができます。
アバターペンはいろいろありますが、一番おすすめなのが「PPPen -持てる指ペン」です。
書いた文字を持ち運んだり、鏡文字の反転や太さや色を変えることができるなど、非常に多機能なペンとなっています。
VRCスタンプ
VRCスタンプシステムは、ボタン一つで気軽にコミュニケーションができるツールです。
「おはよう」や「眠い」など、言葉にできない気持ちを可愛く表現できます。オリジナルメッセージも作れるので、自分だけのスタンプで多様なコミュニケーションが実現できます。
「文字を書くのが面倒くさい」
「ペンのないワールドに行きづらい」
そんな時におすすめです。
VRChatの無言勢に対して「怖い」と感じる人も、もしかしたらいるかもしれません。
無言勢…何考えてるか分かんなすぎて逆に怖い
喋ってくれたら楽なのにって毎回思ってしまう
文字から察するのはムズいのよ— なな (@Biscuit_NN) August 21, 2024
ボイスチャットを介さず、ジェスチャーや表情、テキストチャットでコミュニケーションを取る無言勢は、音声による情報交換がないため、意図が汲み取りづらく不安を感じる人もいるでしょう。
特に、VRChatに慣れていない人にとっては、沈黙が長く続く状況は、不気味さや孤独感につながる可能性があります。
また、声による感情表現が制限されるため、無言勢のアバターは時に無機質で、人間らしさを感じにくいと捉えられることがあります。
さらに、無言であることから、内向的でシャイ、あるいは不気味な存在といった固定観念が結びつけられることがあります。
しかし、無言勢が意図的に恐怖感を煽っているわけではありません。むしろ、様々な理由から音声でのコミュニケーションを避け、自分のペースでVRChatを楽しみたいと考えている人が多いのです。
一度、無言勢とのコミュニケーションに慣れてくると、彼らの独特な表現方法に魅力を感じ、より深く交流できるようになるかもしれません。
一方で、無言勢がかわいいと評価されることもあります。
ぶいちゃ、「無言勢」というものが公然と存在し、ちいさくてかわいい生き物としてまわりをコロコロかけまわってなでてなでて!ってしてつかれたらだまってだれかのとなりでお絵かきとかして自由気ままに猫みたいなことできるからたのしい。たのしい。
わたしはねこになりたかったのかも。— mashimaro🖋🍙 (@lemon_pie22) September 9, 2024
言葉を使わずに手を振ったり、ジャンプしたりすることで、感情表現がシンプルで分かりやすく、他のプレイヤーから好感を持たれることがよくあります。
例えば、ぬいぐるみのような小さなアバターが元気に動き回る様子は、見ているだけでほっこりした気分になる人もいるでしょう。
無言勢に人気のアバターとしては、動物系やファンタジーキャラクターがよく挙げられます。
これらのアバターは可愛らしい外見に加えて、リアクションが少ないことで、無言でも自然な振る舞いを演出することができるのです。
また、無言勢は聞き上手と称されることもあります。
たまに無言勢が怖いという方を聞きますので攻略法をお知らせします。
まず無言勢の99割は聞き上手です。一方的に自分語りしてください。基本これだけでOKです。
喋る事がなくなったら撫で倒してください。寝ます。完全勝利です。おめでとうございます。— なしの (@nashino_null) May 16, 2023
このように、無言勢であってもアバターの選び方やふるまい次第で、他のプレイヤーからかわいいと評価される場面が多くあります。
VRChatをデスクトップモードでプレイし、かつ無言勢として活動することは、他のプレイスタイルに比べて難しさがあるのは事実です。
VRモードに比べてデスクトップモードでは、操作や表現が限られるため、特に無言勢にはコミュニケーションの手段が少ないことが課題となります。
VRモードでは手や体の動きで感情や意思を表現できるため、無言でも相手に気持ちが伝わりやすいですが、デスクトップモードではその動きが制限されるため、さらに表現が難しくなります。
もう一つの課題は、ジェスチャーや表情を細かく操作することが困難である点です。
VRモードではコントローラーやトラッキングデバイスを使って自由に動けるため、アバターの表情や身振り手振りを瞬時に変えることができます。
しかし、デスクトップモードではキーボードやマウスを使ってジェスチャーを行う必要があり、その操作に手間がかかることから、スムーズなコミュニケーションが取りにくい場合があります。
とはいえ、デスクトップモードでも無言勢として活動するプレイヤーは存在し、独自の方法で快適に過ごしている人も少なくありません。
たとえば、アバターの表情をあらかじめ設定しておき、状況に応じて適切なものをすばやく選ぶことで、無言でも感情を伝える工夫をしているケースが見受けられます。
無言勢は決して一括りにできるものではありません。
それぞれが異なる個性と表現方法を持ち、仮想空間の中で独自のコミュニティを形成しています。
無言勢という文化は、VRChatという仮想空間だからこそ生まれたと言えるでしょう。
現実世界では難しい、言葉を使わないコミュニケーションが、仮想空間では自由に試せるのです。
これは、テクノロジーが私たちのコミュニケーションのあり方を変えつつある一つの例と言えるかもしれません。