メタバースでできることって何? 具体的な実例を教えてほしい
2022年のバズワード「メタバース」
旧Facebook(フェイスブック)がMeta(メタ)へと社名を変更したことでも大きな話題となり、メタバースへの注目が大いに高まっています。
VRデバイスやPC・スマホを通じて人々が気軽に交流できる仮想空間に、新たなビジネスチャンスとして世界中の企業がメタバース関連事業への参入しています。
とはいえ「メタバースで何ができるのかよく分からない」という方も多いはず。
そこで今回は
上記のポイントを私の実体験を踏まえて解説しています。
名前:うたの
そもそもメタバースとは何なのでしょうか?
結論から言うと、メタバースには明確な定義がないので人によって言ってることがバラバラです。
ざっくりというとメタバースとはインターネット上に構築された仮想空間です。
アバターと呼ばれる分身を用いて仮想空間にダイブして、ゲームをしたりコミュニケーションをとったり土地やアイテムの売買でお金を稼ぐこともできるのが一般的にメタバースと解釈されています。
メタバースと呼ばれるサービスは多種多様にありますが、大きく3つのパターンに分けることができます。
代表的なサービス VRChat・Cluster・バーチャルキャストなど
代表的なサービス The Sandbox(ザ・サンドボックス)やDecentraland(ディセントラランド)など
代表的なサービス Fortnite(フォートナイト)どうぶつの森など
これらを総称してメタバースと呼んでいます。
しかし、VRゴーグルを用いないメタバースサービスはメタバースと認めないという人もいれば、フォートナイトやどうぶつの森をメタバース扱いする人もいます。中には完全なメタバースはまだ存在しないという人までいて解釈は様々です。
私が一番はまっているのがVRSNS系のメタバースです。当ブログでもVRSNS系のメタバースを中心に解説しています。
メタバースに対する理解を深めたければ、佐藤航陽氏と堀江貴文氏の対談動画がおすすめ
メタバースとセットで語られていることが多いVRですが、メタバース=VRではありません。
メタバースは「仮想空間」そのものを指しますが、VRは「仮想空間を現実のように体験できる技術や手段」のことです。
メタバースの世界にアクセスするための技術や手段の一つにVRがあるだけで、VR=メタバースではありません。PCのデスクトップやスマホからでもアクセスできるメタバースのサービスも存在します。
このようにVRとメタバースは別物ですが相性は抜群です。両者を組み合わせることでより没入感の高い体験を得ることができます。
メタバースの世界へアクセスする手段としてVRは今後ますます浸透してくと思います。
メタバースでできることの1つ目は、なりたい自分になれることです。
メタバースの世界ではアバターと呼ばれる自分の分身を用います。
アバターを用いれば、年齢や性別・人種・民族など関係なく、なりたい自分になれるのがメタバース最大の魅力。
VRゴーグルをかぶって美少女アバターに変身すれば、自分が本当に美少女になった気分になれます♪
美少女アバターに変身してミラーでチェック💕
なれるのは人間だけではありません。動物にだってロボットにだって妖怪にだって何にだってなれます。なれないものなんてありません。
動物にだってなれちゃいます🐶
それぞれのメタバースプラットフォームでは無料で利用できるデフォルトのアバターや、ユーザーが作成したサンプルアバターも用意されているので、アバターを持っていない人でも気軽に利用できます。
自作アバターの展示会「アバターミュージアム」気に入ったアバターを購入したり、サンプルアバターを試着することもできる。VRChatでいつでも行くことができる
ユーザーの中には自作のオリジナルアバターや、販売されているアバターを改変したりして、皆さん思い思いの姿でメタバースの世界を楽しんでいます。
アバターやその衣装は「BOOTH」をはじめとしたオンラインマーケットで販売されています。BOOTHでは無料で利用できる可愛いアバターも用意されていますし、市販のアバターでも髪の色や服装を変えるだけでも随分と印象が違って見えますよ。
私もBOOTHでアバターを購入しましたが、デフォルトの衣装やヘアスタイルだけでは満足できなくなり、気づけばUnityでいろいろと衣装や髪型を変えるようになってました。
今までいろんなアバターお迎えしたけど、やっぱり初めてお迎えしたメラフリノスちゃんが一番思い入れが強いかな?#VRChat#ikshop pic.twitter.com/KKf5wnpjcs
— うたの (@utanonV) May 7, 2022
アバター沼にはまると、時間もお金もどんどんと溶けていきます(笑)
メタバースでできることの2つ目は、他のユーザーと交流できることです。
メタバース内では他のユーザーと同じ空間でテキストチャットや音声でコミュニケーションをとることができます。
アバターを用いれば身振り手振りを交えてコミュニケーションががとれるので、実際にその人と近くで話をしているような感覚があります。
メタバースの世界では物理的な距離の制約がないので、リアルではなかなか会うことができないる人とだって、おしゃべりしたりして簡単に交流出来ちゃいます。
世界最大のメタバースプラットフォームであるVRChatでは日本人のみならず、全世界のユーザーが仮想空間上に集まってコミュニケーションを楽しんでいます。日本語のみならず英語や中国語、韓国語など、世界中の言語が飛び回っています。
「英語なんてできないし、外国人と交流するのはちょっと…」という方は、日本人同士で交流するもよし、もちろん気心の知れた仲間内だけで楽しむもよし。交流の仕方は自由。
特に同じ趣味を持つ者同士の交流が盛んで、現実世界と同じようなコミュニティを形成しています。
#VR医療相談集会 に初めて行ってきました
ありがとうございました!
無言勢なので相談内容を書いたオブジェクトを見せたのですが不具合で見えていなかったようでご迷惑をおかけしました
ceythyさんに代弁してくれて助かりました
また機会がございましたらよろしくお願いします#VRChat pic.twitter.com/ebrCKTDX7x— うたの (@utanonV) June 21, 2023
ネムちゃん2周年集会に遊びに行きました
ありがとうございました(* ᴗ ᴗ)#ネムちゃん集会#VRChat pic.twitter.com/MEnyhMr1Bz— うたの (@utanonV) December 19, 2022
このように、VRChatでは日々ユーザーによってさまざまなイベントが開催されています
VRChatイベント情報はこちらをチェック
VRChatイベント情報
リアルだと遠方で行けない人でも、距離の制約がないメタバースなら世界中から同じ趣味や境遇の者同士が参加できます。
リアルではなかなか会えない遠距離恋愛のカップルがメタバース空間でデートをしたり、メタバースの世界だけで恋愛をしているカップル(お砂糖と呼ばれる)も珍しくありません。
メタバース空間がお砂糖空間に💕
メタバースでできることの3つ目は、あらゆる世界を探索できることです。
メタバース空間ではユーザーが様々な世界を創作しており、ユーザーはその世界を自由に探索することができます。
特にメタバース空間の数が多いのはVRChatです。VRChat内にはユーザーが制作した「ワールド」と呼ばれるメタバース空間が無数にあり、リアルでは決して体験できない非日常も味わえます。
綺麗な景色が楽しめるワールドや飛行機や車を操縦できるワールド、謎解きを楽しめるワールド、遊園地のジェットコースターやホラーが楽しめるワールドなど、その種類は多岐にわたります。現実に存在する場所を再現したワールドもあり、バーチャル旅行気分を味わうこともできます。
VRの定番ジェットコースター! 動きや浮遊感はリアルそのもの
VRChatでも数多く存在するホラーワールド。VRとホラーの相性は抜群!
メタバース空間なら免許不要。車や飛行機も操縦できます
バーチャル無人島生活を体験
大阪の観光名所、道頓堀を再現したワールドでバーチャル旅行気分を堪能
リアルでは決して行くことのできない東京スカイツリー登頂部から大都会東京を一望
私のツイートでVRChatのワールド紹介をしているので、ぜひチェックしてみてくださいね
#うたのんのVRChat_world紹介
メタバースでできることの4つ目は、リアルの特技を生かせることです。
メタバース空間でできることは、何もおしゃべりを楽しんだりワールドを楽しめるだけではありません。
メタバース空間でイベントを開いたり、アバターや衣装を販売したり、楽器を弾いたり歌を歌ったり、絵を描いたりダンスを踊ったり、英会話教室を開いたりと、リアルの特技を生かしてメタバース空間で活躍している人も数多くいます。
メタバース空間でバーチャルハスラーとして活躍している「みなみにし」さん
メタバース空間で漫才を行った漫才師「アメリカザリガニ」
メタバース空間での表現方法はまさに無限大。
今後、メタバースの技術やサービスが進歩していくと、もっと大規模な経済活動がメタバース空間で行われるようになり、リアルの生活の一部がメタバース空間に置き換わっていく可能性も考えられます。
メタバースでできることの5つ目は、メタバース内の土地を売買できることです。
メタバースの中には仮想空間に用意されている土地を売買することができるプラットフォームもあります。
具体的には、Decentraland(ディセントラランド)やThe Sandbox(ザ・サンドボックス)と言ったメタバースプラットフォームがそれにあたります。
これらのメタバースプラットフォームでは独自の仮想通貨による経済圏が確立されており、仮想空間の土地やキャラクター、アイテムをNFT(代替不可能なトークン)化して資産価値を持たせることで、それらを売買して実際に仮想通貨を稼ぐことができます。
NFTについてはこちらで解説しています。
【初心者向け】NFTとは?最低限知って起きたい基礎知識
過去にはDecentraland内の土地が2.7億円で売却されたこともあります。
土地自体を他の人に売ったり貸したり、土地に建物を建ててイベントを開催して入場料や出展料をもらうなど、イベントを開催して稼ぐなんてこともできます。
このようにメタバースは投資の対象としても注目を集めています。
メタバースでは、リアルに近い形で様々なことができることを解説してきました。
ではそれらをメタバースで行うメリットやデメリットは何なのでしょうか?
メタバースは現実世界とは異なる新たな空間であるため、多くのビジネスチャンスを秘めています。
仮想空間に街を作って広告を出したり、イベントやコンサートを開催したり、リアルオフィスや店舗を仮想空間に移行したりと、新たなビジネスチャンスとして多くの企業がメタバースに注目しています。
メタバースの本質は「インターネットが扱うコンテンツが2次元から3次元に進化すること」
引用元:佐藤航陽氏(スペースデータ 代表取締役社長)
メタバースとは言わば「3次元のインターネット」
インターネットの誕生によって新しいビジネスモデルが続々と生まれたように、メタバースでも今までにない全く新しいビジネスモデルが生まれるかもしれません。
メタバースは仮想空間であるため場所や時間、身体的といった物理的な制約がありません。
地球の反対側にいる人とだって同じ空間でコミュニケーションをとることができますし、体の不自由な方でもアバターを用いれば、メタバース空間内を自由自在に動き回ることができます。
メタバースで事業を展開する企業にとっても大きなメリットがあります。
現実世界で店舗を出すと家賃や光熱費など様々な経費がかかりますが、メタバース空間だとかかりませんし、デジタル物なので建物が老朽化することもありません。従業員の交通費もカットできます。
メタバース空間で働く人にとっても色々なメリットがあります。接客業なのにテレワークができますし、通勤する必要がないので時間を有効に使えます。
外見に気を使う必要もありません。現実世界の接客業はどうしても他人からの見た目が気になってしまいますが、仮想空間での接客はアバターなので容姿を気にする必要がありません。
女性なら化粧する必要がありませんし、男性でも女性のアバターで働くことができます。
このように物理的な制約がないことがメタバースの大きなメリットと言えるでしょう。
現状メタバースを体験するには、高性能なPCもしくはVRゴーグルが必要です。そのため初期費用がかなりかかります。
ちなみに私は
・PC 約18万円
・VRゴーグル 5万円
の初期費用がかかりました
スマホからでもアクセスできるメタバースプラットフォームもありますが、VRと比べると没入性という点でははるかに劣ります。
VRゴーグルもまだまだ発展途上。長時間使用しているとかなり疲れますし、VR酔いなどの問題もあります。
今後メタバースが社会に広く浸透するには、デバイスの進歩は絶対不可欠でしょう。
エンターテイメント性や没入感が高いメタバース。今後メタバースの技術が進歩すればするほど、現実世界よりも楽しく有意義に感じる人が増えてくるでしょう。
そうなるとメタバースの世界から抜け出せなくなり、リアルでの生活に支障をきたしてしまうなんてことも。
オンラインゲームで見られるような依存症の問題が、メタバースでも起きる可能性は大でしょう。メタバースは次世代SNSとも呼ばれることもあり、現在のSNSよりも依存性が高いとも言われています。
依存症の問題は避けては通れない道です。
以上、メタバースでできることやメリット・デメリットについて解説してきました。
メタバースの魅力はどんなに言葉で説明しても伝わり切りません。100の言葉より1の体験。実際に自分で体験してみるのが一番です。
少しで興味を持っている人は、私と一緒にメタバースの世界に飛び込んでみてはいかかでしょうか?