VR酔い、つらいですよね。VRをしているとふとやってくる倦怠感に吐き気に頭痛。悩まされている人は多いはず。
私もVRChatを始めた頃はただ歩くだけで酔っていました。VRChat内でフレンドさんと年を越そうと思ったら酔ってしまい、一緒に年を越せなかったり、一緒に行ったホラーワールドで途中で酔ってしまい最後までクリアできなかったことなど、いくつか苦い思い出もよみがえってきます。
快適なVRChatライフを実現するために、私が実践してきたVR酔い対策をまとめてみました。
そもそもなぜVR酔いは起きるのでしょうか?
VR酔いが起こる原因はいろいろあるようですが、大きな原因としては「感覚不一致説(感覚矛盾説)」というのがあります。
私たちの体の位置や動きは、3つの器官からの刺激の入力で感知されています。1つは目からの情報(視覚)、2つめは耳(内耳)の前庭器(ぜんていき:三半規管や耳石)で感じる加速や減速・揺れの情報。3つめは、立っている時は足の裏、座っている時はお尻や背中など、筋肉や関節から入ってくる揺れや振動の情報(固有知覚)です。
この3つで感知された情報が脳で統合され、これまで脳が学習し、蓄積していた空間知覚のパターンに当てはめて、自分の動きや位置を認識しています。私たちの脳は、これまでに経験した揺れやスピードを記憶しており、次に同様の経験をした時に姿勢を制御できるように備えているのです。
しかし3D映像では、視覚からは揺れや加速、傾きなどの刺激があるのに、内耳や筋肉、関節からはそれらの刺激が感じられない状態になるため、今までのパターンに当てはまらない加速や揺れの情報として脳に伝わります。すると脳が混乱し、不快な状態であると判断するのです。
その結果、脳の視床下部が混乱し、自律神経が乱れます。自律神経は、血圧や呼吸、胃腸の働きをつかさどるので、自律神経が乱れることで、吐き気や嘔吐、めまいなどの不快な「3D酔い」の症状が起こってしまうのです。
引用元:大正製薬 https://brand.taisho.co.jp/semper/trivia/trivia04.html
VR酔いを起こすと、以下のような症状に襲われることが多いです。
大体乗り物酔いに似た症状です。軽度の場合は少し体がだるい程度ですが、重度になると頭痛や吐き気、めまいがおきることもあります。
乗り物酔いと同じくVR酔いにも個人差があり、全く酔わない人もいれば短時間の利用ですぐに酔ってしまう人もいます。全く乗り物酔いを起こさない人でも、VRだとすぐに酔ってしまう人もいるようです。
私の場合は眠たくないのにあくびが出たらVR酔いの前兆で、その後頭痛がして吐き気をもよおすことが多かったです
私が実践してきたVR酔い対策をまとめてみました。
全ての人に効果があるかはわかりませんが、参考にしていただけると幸いです。
一番手っ取り早い方法が酔い止め薬を飲むことです。
VR酔いと乗り物酔いのメカニズムは似通っているので、酔い止め薬は非常に効果的です。私もVRを始めたころは毎回飲んでいました。薬の効果ももちろんありますが、薬を飲んだ安心感でも酔いにくくなります。
ですが、酔い止め薬は結構高いですし毎回飲んでいると結構な出費に。多用すると身体にもあまり良くなさそうなので、あくまでもVRに慣れるまでの一時的な対策と思った方がいいでしょう
私はVRChatを始めてから3か月ぐらいは毎回飲んでいました。飲んで酔ったことは1度もないので効果的だと思います。
ゲーム内の設定を変えることもVR酔い対策に効果的です。具体的にはキャラクターの移動方法を変えたり、視野角を狭くすることでVR酔いを起こす可能性が低くなります。
VRChatには「直接移動」と「ホロポート移動」の2種類の移動方法があり、デフォルトでは「直接移動」になっています。
「直接移動」はコントローラーの左スティックを倒すとその方向に進み、右スティックを回すと回転できます。
視点移動がなめらかで没入感が高まりますが、人によっては酔いやすくなります。
「ホロポート移動」は移動したい場所をコントローラーで指定すると、自分のアバターがその場所までワープのように移動できます。
「直接移動」と比べると操作が面倒で没入感は低下しますが、視点があまり動かないため脳と体の認識のずれが起きにくく、VR酔いが軽減される効果があります。
メニュー画面の「設定(歯車のマーク)」を開き、メニューを下にスクロールさせて「快適性」を表示させます。
「ホロポート移動」のスイッチをオンにします。
移動したい場所をコントローラーの左スティックで指定すると、自分のアバターがその場所までワープのように移動できます。
トンネル効果を設定することで、移動の際に視野が狭くなり、VR酔いを軽減できる効果があります。
メニュー画面の「設定(歯車のマーク)」を開き、メニューを下にスクロールさせて「快適性」を表示させます。
移動時のトンネリングを「なし(トンネル効果なし)」「低(トンネル効果弱め)」「高(トンネル効果強め)」で切り替えることで設定できます。
設定して歩いてみると周りがトンネルのように暗くなって、周辺視野の影響を受けにくくなるので、比較的VR酔いしにくくなります。
私もVRChatを始めたころは「ホロポート移動」にしてました。これだけでかなりVR酔いを防ぐ効果がありますよ。
頭を激しく動かすと周辺視野の影響を大きく受けて酔いやすくなります。
VRは頭を動かすと周りの景色も動きますが、動きと画面の間にタイムラグが生じることもあり、それが酔いの原因にもなります。
座った方が安定感があるので、座ってプレイしてなるべく頭をあまり動かさないようにしましょう。
VR酔いは脳と身体の認識のずれによって起こります。
VRChatには車を運転したり飛行機を操縦したりジェットコースターに乗ったりするようなワールドがありますが、激しい動きをするとその認識のずれが大きくなり酔いやすくなります。
VRに慣れてないうちは、画面の動きや視点移動が激しいコンテンツはなるべく避けて、動きの少ないコンテンツから徐々に慣れていくことをおすすめします。
私はVR酔いを克服した今でも、動きの激しいコンテンツは時々酔うことがあります。
VRに夢中になっているとつい時間を忘れて気が付けば夜更かしをしていたこともあるかと思います。長時間VRをしていると疲労が溜まりVR酔いを起こしやすくなります。
疲れたと感じたら利用をやめるのはもちろん、疲れを感じる前にもゴーグルを外して適度に休息をとるようにしましょう。窓を開けて新鮮な空気を吸ったり、冷たい水を飲むと症状も楽になります。
私は2~3時間に1回は必ずゴーグルを外して、ゆっくりと体を休めるようにしています。
VRをする前にお酒を飲むのはなるべく控えた方がいいです。
空腹時や満腹時も酔いやすくなるので、食事をする前やしたすぐ後はなるべく控えた方がいいでしょう。
VR酔いは乗り物酔いとメカニズムが似ているので、とにかく何度もVRを体験して慣れることが大切です。
初めて船に乗る人は船酔いしやすいですが、波の揺れに慣れた漁師さんは船酔いをしません。それと同様にVRも何度も遊んでいると、脳がVR映像の揺れや速度のパターンを学習し、徐々にVR酔いが起きにくくなります。
ただ、どれぐらいで克服できるのかは個人差があるようで、すぐに克服できる人もいればなかなか克服できない人もいるようです。
私はVRChatを始めてから3か月ぐらいでほぼ克服しました。
以上、私が実践してきたVR酔い対策を解説してみました。
皆さんがVR酔いを克服して快適なVRChatライフを実現できることを願っています