「VRChat、楽しい! でも、なんだか酔って気持ち悪い…」
せっかく始めたのに、そんな「VR酔い」に悩んでいませんか?あのフワフワする不快な感覚は、本当に辛いですよね。
「もしかして、自分はVRに向いてないのかな…」なんて、不安に思っている方もいるかもしれません。
でも、大丈夫。VR酔いは、その原因と正しい対策を知れば、ちゃんと乗り越えられます。
この記事では、VRChatの酔いを克服するための知識を総動員しました。
ゲーム内の設定から、酔い止め薬との付き合い方、体を慣らすためのトレーニング、そして未来の最新技術まで、あなたにピッタリな解決策がきっと見つかるはずです。
まずは、なぜVR酔いが起きるのか、その正体を知ることから始めましょう。敵の正体が分かれば、もう怖くありません。
VR酔いとは、VR体験中に起こる、乗り物酔いにそっくりな気持ち悪さのこと。めまい、吐き気、頭痛、冷や汗などが主な症状です。
この現象の犯人は、一言でいうと「脳の勘違い」
目から入ってくる「うわー、動いてる!」という映像と、体(特に耳の奥にあるバランスセンサー)からの「いや、全然動いてないよ」という信号が、脳の中でケンカしてしまうのが原因なんです。
例えば、VRChatでアバターが歩き出すと、あなたの目には「前に進んでいる」景色が映ります。でも、現実のあなたの体は椅子に座ったまま。
「どっちが本当なの!?」とパニックになった脳が、体の調子を整える司令塔(自律神経)を狂わせてしまい、結果として乗り物酔いのような気持ち悪さが生まれてしまう、という仕組みです。
また、映像の「カクつき」も脳のパニックを加速させます。VRChatでは、綺麗なワールドやアバターがたくさん集まるとPCのパワーが追いつかず、このカクつきが起きやすくなるのも、酔いの原因の一つです。
引用元:大正製薬 https://brand.taisho.co.jp/semper/trivia/trivia04.html
「もしかして私、酔いやすいタイプかも…」
少しドキッとするかもしれませんが、自分の特徴を知ることは、対策への第一歩です。当てはまったからといって、がっかりしないでくださいね。
乗り物酔いしやすい体質の人
車や船で酔いやすい方は、VRでも同じように感じやすい傾向があります。これは、脳が混乱する仕組みが同じだからです。自覚がある方は、少し慎重にVRを始めてみましょう。
ちょっぴりお疲れ気味のとき
私たちの体は正直です。寝不足だったり、お腹が空いていたり、疲れていたりすると、普段よりずっと酔いやすくなります。VRChatで遊ぶ前は、少しだけ自分の体に「準備はOK?」と聞いてあげるのも大切ですよ。
VRの世界に降り立ったばかりの初心者さん
バーチャルな世界での感覚に、脳がまだ慣れていない最初のうちは、誰でも酔いやすいものです。
でも、これは裏を返せば慣れで解決できるということ。少しずつ経験を積んで、脳に「これはVRの世界なんだよ」と教えてあげれば、きっと体は応えてくれます。
「VRゴーグルもかぶってないのに、なんで画面を見てるだけで酔うの?」。そう不思議に思うかもしれませんね。実は、これも脳の勘違いが原因なんです。
画面の中ではキャラクターが激しく動いているのに、自分は座ったまま。このギャップに脳が戸惑ってしまうのです。
特に、マウスでぐるん!と急に視点を動かしたりすると、脳はびっくりしてしまいますよね。この「予期せぬ動き」が、デスクトップでの3D酔いの大きな原因になります。
PCのスペック不足による映像のカクつきも、脳の疲れを誘う要因の一つです。
VR酔いは、あなた一人の悩みではありません。
世界中のたくさんの開発者たちが「みんなにもっと快適にVRを楽しんでほしい!」と、日々新しい技術を研究してくれています。
ハードウェアの面では、VRヘッドセット自体の性能がどんどん進化しています。映像をより滑らかにする技術や、解像度を上げてリアルに見せることで、脳の負担を減らす工夫が進んでいます。
ソフトウェアの面では、VRChatにも搭載されている「トンネリング(移動中に視界の周りを暗くする機能)」や「スナップターン(視点をカクッと切り替える機能)」などが、今や標準的な酔い対策です。
これらは、脳に「これは窓から景色を眺めているんだよ」と優しく教えてあげるような機能なんです。
さらに未来では、耳の奥の器官に微弱な電気を送って平衡感覚をサポートしたり、音や振動で体の感覚を映像に合わせたりする、SFのような技術も研究されています。
そんな未来が来れば、体質を気にすることなく、もっとたくさんの人が気軽にバーチャルな世界で出会い、笑い合えるようになります。なんだか、ワクワクしますね!
「原因は分かったけど、じゃあ具体的にどうすればいいの?」
ここからは、辛いVR酔いを乗り越えるための、具体的な対策方法を一つひとつ見ていきましょう。あなたにピッタリな方法が、きっと見つかるはずです。
まずは、すぐに試せるゲーム内の設定から見直してみましょう。ここを変えるだけで、世界がガラッと変わるかもしれませんよ!
VR酔いの多くは、景色が流れる移動中に起こります。VRChatでは、この移動方法を酔いにくい「ホロポート移動」に変えることができます。
設定項目 | 特徴 | 酔いへの影響 |
---|---|---|
ホロポート移動 |
地面を指定し「シュッ!」と瞬間移動する。 |
◎ とても酔いにくい |
スムーズ移動 |
スティックを倒した方向に滑らかに移動する。 |
△ 酔いやすい |
①メニュー画面の「設定(歯車のマーク)」を開きます。
②メニューを下にスクロールさせて「快適性」を表示させます。
③「ホロポート移動」のスイッチをオンにします。
移動したい場所をコントローラーの左スティックで指定すると、自分のアバターがその場所までワープのように移動できます。
うたの
酔いに悩んでいる方は、まず移動方法を「ホロポート移動」に設定してみてください。忍者みたいにシュッと移動する方法で、酔い対策の王道とも言える設定です。
ぐるーっと視点が回るのも、酔いの大きな原因です。これも設定で変えられます。
設定項目 | 特徴 | 酔いへの影響 |
---|---|---|
回転のスナップ |
スティックを倒すと、決まった角度で「パッ」と |
◎ 酔いにくい |
スムーズ移動 | スティックを倒した分だけ、滑らかに視点が回転する。 | △ 酔いやすい |
これは、移動中に視界の周りをそっと暗くしてくれる、優しい目隠しのような機能です。景色全体の動きが少なくなるので、脳への刺激がぐっと減りますよ。
①メニュー画面の「設定(歯車のマーク)」を開きます。
②メニューを下にスクロールさせて「快適性」を表示させます。
③移動時のトンネリングを「なし(トンネル効果なし)」「低(トンネル効果弱め)」「高(トンネル効果強め)」で切り替えることで設定できます。
設定して歩いてみると周りがトンネルのように暗くなって、周辺視野の影響を受けにくくなるので、比較的VR酔いしにくくなります。
VRの世界では、あなたが頭を動かすと、周りの景色も一緒に動きますよね。
でも、時にはその動きと画面の表示にほんの少しのズレが生まれてしまい、それが酔いの原因になることも。特に、キョロキョロと激しく頭を動かすと、脳への刺激が強くなってしまいます。
まずはお気に入りの椅子に深く腰掛けて、リラックスすることから始めてみませんか? 立って動き回るよりも、座っている方が体が安定しますし、自然と頭の動きも穏やかになります。
なるべく視点移動はコントローラーのスティックに任せて、頭はゆったりと構える。この優しいプレイスタイルが、あなたの脳を混乱から守ってくれますよ。
VR酔いの正体は、脳と体の「あれ?なんか違うぞ?」という認識のズレでしたね。
VRChatには、車を運転したり、空を飛んだり、ジェットコースターに乗ったり、ドキドキするワールドがたくさんあります。でも、こうした激しい動きは、脳と体のズレを最大級にしてしまう、いわば「酔いのエキスパート」なんです。
VRに慣れるまでは、こうした刺激的な体験は、未来の楽しみにとっておきましょう。
まずは、穏やかなワールドでおしゃべりしたり、美しい景色をただぼーっと眺めたり…。そんな風に、ゆったりとした時間を過ごせる場所から旅を始めるのが、酔いを克服する一番の近道です。
うたの
VRにすっかり慣れた私でも、ジェットコースターみたいなワールドは、今でもやっぱりドキドキしますし、時には「おっと…」となることも。だから、焦らなくて本当に大丈夫ですよ。
意外と見落としがちなのが、あなたの分身であるアバターの「身長」です。
自分のリアルな身長とアバターの身長が違いすぎると、そのギャップが違和感となり、酔いの原因になることがあります。
VRChatのアバター高さ調整機能を使って、まずは自分のリアルな身長から試してみてください。
そこから少しずつ高くしたり低くしたり、移動したり、周りを見渡したりして「あれ?この高さ、なんだか落ち着くな」「長時間いても疲れにくいぞ」と感じるポイントを探します。その感覚こそが、あなたにとっての正解です。
VR酔いは、自転車の練習と似ています。最初はふらついても、少しずつ練習すれば、誰でも乗りこなせるようになるんです。大切なのは、転んで大ケガをする前に、上手に降りること。
最初のうちは、1回のプレイ時間を短い時間に区切りましょう。
そして、少しでも「あれ、ちょっと気持ち悪いかも」と感じたら、勇気を出してすぐにプレイを中断してください。
VRの世界は、船や飛行機と違って、いつでも自分の意思で降りられます。「酔う前にやめる」この習慣が、VR酔いを克服する一番の近道です。
慣れてきたら、少しずつプレイ時間を延ばしていきましょう。また、動きの少ない、穏やかなワールドから訪れるのもおすすめです。
うたの
世界は逃げませんから、大丈夫。あなたのペースで進んでいきましょう。
どんなにすごい対策をしても、あなたの体が「準備OK!」でなければ、VR酔いのリスクは高まってしまいます。
最高のVR体験は、最高のコンディションから。当たり前のことのようですが、これが一番の特効薬かもしれません。
「今日は疲れてるな」と感じる日。そんな日は、無理にフレンドに会いに行かず「今日は休むね!」と伝える勇気も、VRChatを長く楽しむためにはとても大切ですよ。
「どうしても酔ってしまう…最後の手段として、お薬ってどうなんだろう?」
そう気になっている方も多いかもしれませんね。結論から言うと、市販の乗り物酔いのお薬は、VR酔いにも有効な選択肢の一つです。
脳の混乱を鎮めてくれる仕組みが、乗り物酔いとVR酔いで共通しているからです。
「アネロン」「センパア」といったお薬の公式サイトでも、VR酔いへの効果が期待できると案内されていることがあります。
ただし、お薬と付き合う上では、心に留めておきたい大切な約束事があります。
そして何より「薬を飲んだから大丈夫」という安心感が、不安な気持ちからくる酔いを和らげてくれる、心のお守りになることもあります。
「今日は大事なイベントだから絶対に楽しみたい!」そんな時に、あなたを助けてくれるかもしれません。
うたの
私はVRChatを始めてから3か月ぐらいは毎回飲んでいました。それで酔ったことは一度もないので、自分には合っていたんだなと思います。
ここまで、たくさんの対策方法を見てきました。今日からすぐに試せそうなものは、見つかりましたか?
最後に、あなたの快適なVRChatライフのための、大切な心構えをおさらいしましょう。
そして一番大切なのは、焦らず、あなたのペースで、少しずつ世界に慣れていくこと。
VRの世界は、あなたが万身の体調で訪れるのを、いつでも待っていてくれます。無理せず楽しく、バーチャルライフとの長いお付き合いをしていきましょうね。