主に若者の間で人気を集めるVTuber。近年は、インターネットの世界にとどまらず、テレビやCMの世界でも活躍する機会も目にするようになりました。
しかし一方で「VTuberが気持ち悪い」「Vtuberは嫌い・苦手」という声も少なくありません。
実際検索するとVTuberに関するネガティブワードが多数出てきます。
月間検索数が1600とVTuber関連ワードの中ではかなり上位に位置するボリューム。
※2024年2月時点
この記事では、VTuberがなぜ一部の人々にそう感じられるのか、VTuber文化に対する否定的な印象を生む要素を探ります。
なぜVTuberが気持ち悪いと言われるのか? 一口に気持ち悪いと言ってもその理由は様々なようです。
など多岐にわたります。
そこで気持ち悪いと思われる理由を大きく3つに分けて深堀りしていきます。
まずは、VTuberに起因する気持ち悪いと感じる理由です。
VTuberが気持ち悪いと受けとられる主な要因の一つに、彼らの過度な露出や過激な発言にあるようです。
一部のVTuberは、アニメやマンガに見られるような、過剰に性的な要素を強調した衣装を選ぶことがあります。これらのキャラクターデザインは、性的意識が高い視聴者層からの不快感を引き起こす可能性があります。
また、配信中に不適切なジョークや過激な言動を取り入れることで、視聴者の間で物議をかもすこともあります。
これらの行為は炎上を引き起こし、VTuberのイメージを損ねることにつながる可能性があります。
大多数のVTuberは節度を守って活動していますが、ごく一部のVTuberの炎上騒動がニュースでも取り上げられたりすることで、全体のイメージが悪くなってしまうんでしょうね。
一部のVTuberは、自己顕示欲が強く表れる傾向にあります。
これは、カメラの前での過剰な演技や強調された自己アピール、時には他のVTuberや視聴者を露骨に引き立て役にするような行為を含みます。
このような行動は、一部の視聴者に自己中心的、他人を利用していると感じさせることがあり、それが気持ち悪いという印象につながることがあります。
また、リアルな私生活をさらけ出したり自身の実績や人気を強調する発言も、自己顕示欲の現れとしてとらえられ、VTuberのイメージにネガティブな影響を与えることがあります。
自己顕示欲は誰もでもあるものですし、ましてや人気商売ですからある程度は仕方ないのかもしれません。
VTuberの中には、キャラクターの性格や世界観を反映した特異な喋り方をする人もいます。
これには、意図的に声のトーンを変える、特定の言葉を繰り返し使う、あるいは非常に早口で話すなどが含まれます。
これらの話し方は、キャラクターの個性としては面白いものの、一部の視聴者には違和感を与えることがあります。
特に問題となるのは、キャラクターと声の自然なマッチングが不十分な場合です。キャラクターと声のギャップが大きすぎると、視聴者は不自然だと感じ、それが気持ち悪いという印象につながることがあります。
こればかりは好みの問題としか言いようがありません。
次に、ファンの行動に起因する気持ち悪いと感じる理由です。
VTuberとそのファンは、独自の文化やノリを持っています。
このノリが外部の人にとって理解しづらい場合、彼らの行動や発言が気持ち悪いと受け取られることがあります。
内輪のジョークや、特定の文化に根ざした行動は、外から見ると異質に感じられることがあるのです。
リアルの世界でもノリが合わないということもありますし、VTuberの世界でも同じですね。
一部のVTuberファンは、その熱意を過激な行動で表現することがあり、時として配信のルールやマナーを逸脱した行為をとる場合もあります。
過激な行動は、コミュニティ内での過度の競争心や支配欲を映し出していることがあり、一般視聴者や外部から過激にとらえられる原因となっています。
特に、VTuberに対する強迫的な支持や過剰な防衛反応は、健全なファン文化とは異なる印象を与え、気持ち悪いと感じる要因となることがあります。
悪目立ちをしてしまうごく一部のファンのせいで全体の印象が悪くなる。VTuberという分野だけでなく、どんな分野でも見うけられる現象ですね
最後に、VTuber特有の文化に起因する気持ち悪いと感じる理由です。
VTuberの配信では、視聴者がスーパーチャットと呼ばれる高額な投げ銭をする文化があります。この投げ銭文化に対して、一部の視聴者は抵抗を感じているようです。
2023年VTuberのスパチャランキング。人気VTuberとなると1回の配信で数百万円、年間で数千万円稼ぐこともある
など、高額な投げ銭をする人に対して否定的な意見が見うけられます。
このような行動は、特定のファンがVTuberに対して過度の影響力を持つと感じさせ、その結果、気持ち悪いととらえられる場合があります。
さらに、高額な投げ銭は、他の視聴者に対して間接的なプレッシャーや不快感をもたらすこともあり、コミュニティ内の健全な関係性に影響を及ぼすことが懸念されます。
VTuberの配信文化において、高額な投げ銭は複雑な感情を呼び起こす社会現象として注目されています。
芸能の世界でもおひねりという文化が昔から存在しますし、VTuberとファンの間で利害関係が一致していれば問題のない行為です。良質なコンテンツを提供してくれるVTuberに対する対価ともいえるでしょう。
VTuber界隈には、専門的かつ特有の用語が豊富に存在します。
これらの用語は、その界隈に深く関わることで自然と理解されるもので、特定のシチュエーションや感情を表現するために使われます。
VTuber文化に深くたずさわるファンにとっては日常的な言葉ですが、VTuber文化になじみのない人々にとっては非常に理解しにくいものです。
このように、特有の文化や言語が外部の人々に気持ち悪いという印象を与えることもあるようです。
専門用語はどんな業界にもあります。あくまでもコミュニティ内でしか通用しないという認識を持つことが大事だと思います。
VTuber文化は、特に若者の間で急速に浸透しており、その独特な世界は若者文化としての特徴を持っています。
しかし、この文化が若者に特化していると見なされることで、他の年齢層の中にはVTuberを理解しにくい世代や層も存在します。
彼らにとってVTuber文化は理解できない、あるいは気持ち悪いととらえられることがあるようです。
人は「世の中に新しく生まれた物や未知の物」に対して否定的な感情を持ちがちです。新しい物に否定的な世代や層がいるのは世の常です。
VTuberがなぜ気持ち悪いと感じられるのか、その背景にあるさまざまな要因を探ってきました。人それぞれが持つ価値観や感じ方の違いが、このような印象を生んでいることがわかります。
VTuberとその文化に対する理解が深まったことで、以前は気持ち悪いと思っていた方も、少し違った角度からVTuberを見ることができるかもしれません。
重要なのは、VTuberも含め、どんな文化や趣味にも深い愛情を持っている人がいるということです。
VTuberに対して気持ち悪いと感じるのも、その文化を愛するのも、人それぞれの感情です。自分とは異なる価値観を持つ人がいるということを認識することが大切です。
この記事が、VTuberとその周辺の文化について考えるきっかけになれば幸いです。
そして、多様な価値観を持つ人々が共存するインターネットの世界で、お互いに理解し合える日が増えていくことを願っています。