仮想通貨のレバレッジ取引とは? メリット・デメリットを解説

暗号資産

 

資本主義の社会では、金持ちはますます金持ちになるようになってます。

 

例えば、元手が1億円の人が投資で10%を増やすと利益は1000万円ですが、100万円しかない人が10%増やしても利益は10万円です。投資で10%増やす苦労は同じなのに、元手が多い人がより多くの利益を手に入れることができます。

 

「大きな利益を得るためには元手と時間が必要」という問題を解決してくれるのが、レバレッジ取引です。

 

このページでは仮想通貨におけるレバレッジ取引について解説していきます。

 

 

 

 

この記事の結論

  • レバレッジ取引は自分の保有している資金の何倍もの金額の取引をすることができる
  • 少額の資金でも大きな利益を得るチャンスがある
  • 相場が下落局面でも利益を得るチャンスがある
  • 現物取引と比べるとリスクが高くなる
  • 手数料がかかるので基本は短期売買

 

 


レバレッジ取引の仕組み

レバレッジの語源

レバレッジは「てこ」という意味があります。てこの原理では小さな力で大きなものを動かすことができます。

 

レバレッジ取引もこれと同じで、自分の保有している資金の何倍・何十倍もの金額の取引をすることができます。

 

例えば資金が10万円しかないけど、その10万円を証拠金(保証金とも呼ばれる)として、20万円分の仮想通貨を購入するといったことができるのです。

 

証拠金とは担保のようなものです。レバレッジ取引は自分の保有する資金の何倍もの金額を取引できるけど、その担保として一定以上の金額を用意しなければいけないルールの下で取引を行います。

 

そのため、レバレッジ取引は証拠金取引とも呼ばれています。

 

 

レバレッジって何倍までかけられるの?

国内の取引所では規制によってレバレッジ倍率は2倍までとなっています。

 

海外だと取引所によってレバレッジ倍率は異なり、中には100倍以上もレバレッジをかけられる取引所もあります。

 

レバレッジ倍率とは「元手の何倍までの金額を取引できるか」ということを表した倍率です。

 

例えば、レバレッジ倍率2倍の国内取引所であれば、10万円の元手があればその2倍の20万円までの取引を行うことができます。

 

100倍のレバレッジをかけられる海外の取引所であれば、10万円の元手があればその100倍の2000万円もの取引を行うことができるのです。

 

 

海外の取引所は日本の金融庁の管轄外なので、何かトラブル(ハッキングや倒産など)が起こったとしても自己責任となるので注意してくださいね。


レバレッジ取引をするメリット

仮想通貨でレバレッジ取引をするメリットは以下の2点です。

 

レバレッジ取引のメリット

  • 少額でも大きな利益を得られる
  • 下落局面でも利益が得られる

 

 

少額でも大きな利益が得られる

仮想通貨

 

レバレッジ取引の最大のメリットは、少ない資金でも大きな利益を得られるチャンスがあることです。

 

通常の取引(現物取引)では、値動きの分しか利益は出ません。例えば、ビットコインが100万円上がったとすれば100万円の利益です。

レバレッジをかけない取引のことを現物取引と呼びます。

 

レバレッジを2倍かければこの利益を2倍にできます。

 

例えば100万円の資金で、1BTC(ビットコイン)の価格が100万円の時に全額買った場合、現物取引だと1BTCしか買えませんが、2倍のレバレッジをかけると2BTC買うことができます。

 

1BTCの価格が200万円に上昇した時の利益を比較してみます。

 

現物取引の場合
1BTCの価格が100万円→200万円に上昇したとすると、利益は100万円
(200万円-100万円)×1BTC=100万円

 

レバレッジ2倍の取引の場合
1BTCの価格が100万円→200万円に上昇したとすると、利益は200万円
(200万円-100万円)×2BTC=200万円

 

資金は同じ100万円なのにレバレッジを2倍かけることで、利益が2倍になります。

 

このようにレバレッジをかけることで、少ない資金でも大きな利益を得ることができるのがレバレッジ取引の大きな特徴でありメリットでもあります。

 

 

下落相場でも利益が得られる

レバレッジ取引のもう一つの大きな特徴は、下落相場でも利益が得られるチャンスがあることです。

 

通常、保有している仮想通貨が下落すれば損失をこうむります。ビットコインを保有していてビットコインの価格が下落すれば、その分損失になります。

 

しかし、レバレッジ取引では売りからも入ることができるので、通貨を売ること下落相場でも利益が得られるのです。

 

 

売りから入るってどういうことなの? 買っていない通貨をどうやって売ることができるの?


 

という疑問があるかと思いますので、簡単な流れを説明します。

 

①売るための通貨を取引所から借りる
1BTCを売りたい場合、取引所から1BTCを借りてその1BTCを売る。

 

②通貨の価格が下がったら、売った通貨を買い戻して取引所へ借りていた分を返す
1BTCの価格が200万円→100万円へ下落した場合、1BTCを買い戻して取引所へその1BTCを返す。

 

③差額が利益となる
(200万円-100万円)×1BTC=100万円の利益となる。

 

という流れとなります。

 

現物取引では価格が下落しているときは、指をくわえて見ていることしかできませんが、レバレッジ取引では売りから入ることで下落時にも利益を得るチャンスがあるのです。

 

 

相場の下落局面でも利益が得られるので、取引のチャンスが広がります。


レバレッジ取引のデメリット

仮想通貨のレバレッジ取引のデメリットは以下の2点です。

 

レバレッジ取引は大きな利益を得ることができる反面、初心者にとってはリスクも高い取引です。デメリットも把握しておかないと思わぬ損失を被ることもあります。あらかじめデメリットについてもきちんと理解しておきましょう。

 

レバレッジ取引のメリット

  • リスクが高くなる
  • 口座残高以上の損失がでることもある
  • 手数料がかかる

 

 

リスクが高くなる

投資の世界ではリスクとリターンは表裏一体。

 

レバレッジ取引はリターンも大きいですが、その分リスクも大きい取引となります。

 

例えば100万円の資金で、1BTC(ビットコイン)の価格が100万円の時に全額買った場合、現物取引だと1BTC。2倍のレバレッジをかけると2BTC買うことができます。

 

1BTCの価格が100万円→90万円に下落した場合の損失を比較してみます。

 

現物取引の場合
1BTCの価格が100万円→90万円に下落したとすると、損失10万円
(90万円-100万円×1BTC=-10万円

 

レバレッジ2倍の取引の場合
1BTCの価格が100万円→50万円に下落したとすると、損失10万円
(90万円-100万円×2BTC=-20万円

 

資金は同じ100万円なのにレバレッジを2倍かけたことで、損失も2倍になってしまいました。

 

仮想通貨は株や為替と比べるとボラティリティ(値動き)が激しく、短期間で価格が何倍になることもあれば何分の1になることもあります。

 

 

レバレッジを大きくかけすぎるとあっという間に資金の大半を失ってしまう羽目にもなるので、慎重に取引をする必要があります。


 

 

口座残高以上の損失がでることもある

現物取引だと保有してる通貨の価格がどれだけ下がったとしても、口座残高以上に損失がでることはありません。たとえビットコインの価格が0円になったとしても、口座残高は0円になるだけでマイナスになることはありません。

 

しかし、レバレッジ取引だと口座残高がマイナスになってしまう可能性もあります。

 

レバレッジ取引にはロスカットという仕組みがあります。

ロスカットとは、口座残高が一定以上に減った場合に強制的に決済されるシステムのこと。

 

例えば100万円の資金で、1BTC(ビットコイン)の価格が100万円だとすると、2倍のレバレッジをかけると2BTC買うことができます。1BTC=75万円に下落したとすると、口座残高は50万円になります。

 

1BTCの価格が100万円→75万円に下落
(75万円-100万円)×2BTC=-50万円

 

これ以上下落すると損失がどんどんと大きくなってしまうので、保有している通貨を取引所が強制的に決済します。これがロスカットの仕組みです。

 

どこまで口座残高が減ればロスカットされるのかの基準は取引所によって異なります。例えばロスカット率が50%だとすると、口座残高が50%を下回った時点でロスカットされます。

 

 

ロスカットはトレーダーの資産を守るための安全装置みたいなものです。


 

しかし、急激な価格の変動が起きたり、取引所のサーバーダウンにより取引ができなくなるとロスカットすら間に合わず、口座残高がマイナスになってしまうケースもあります。

 

上記の例だと、1BTC=50万円を下回るまでロスカットが間に合わないと、口座残高はマイナスになってしまいます。

 

もし口座残高がマイナスになれば、取引所からマイナス分の補填を求められます。いわゆる「追証」というものです。

 

追証を求められれば、定められた期日までにマイナス分を口座に入金しなければなりません。

 

仮想通貨はボラティリティが大きく急激な価格変動がおきるかのうせいもた

 

 

国内の取引所は2倍までしかレバレッジがかけられないので追証のリスクは低いと言えますが、油断は禁物です。
追証を受けないように資金には余裕をもって取引することが重要です。


 

 

手数料がかかる

レバレッジ取引は自己資金の何倍もの取引を行うので、手元にない分は取引所から借りることになります。

 

借りた分には手数料(金利)の支払いが発生します。

 

レバレッジ取引における手数料は取引所によって異なりますが、大体1日当たり0.04%の手数料です。

 

例えば、100万円の資金で2倍のレバレッジをかけると、取引所から200万円分の通貨を借りるので、

 

200万円×0.0004×1日=800円

 

1日当たり800円の手数料が発生します。1年間だと292,000円です。

 

取引期間が長ければ長いほど手数料が利益を圧迫するので長期の取引には向きません。

 

 

レバレッジ取引を行う場合は、基本的には短期売買になると思ったほうがいいでしょう。


まとめ

仮想通貨のレバレッジ取引とは?

  • レバレッジ取引は自分の保有している資金の何倍もの金額の取引をすることができる
  • 少額の資金でも大きな利益を得るチャンスがある
  • 相場が下落局面でも利益を得るチャンスがある
  • 現物取引と比べるとリスクが高くなる
  • 手数料がかかるので基本は短期売買

 

 

レバレッジ取引はリターンも大きいですがその分リスクも大きいです。しっかりと理解してから始めるようにしてくださいね。